長野県長野市七瀬南部に開業したコーヒー豆自家焙煎店「ジオグラフィー」の店主が、開業準備からコーヒーのマメ知識、移住生活までいろいろとつづっています。
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近所にライバル自家焙煎店?
少し前の話になりますが、店の内装工事が始まりオープンに向けて準備が進んでいた4月、店に来る途中の七瀬南部東交差点近くで何度かコーヒーを焙煎しているようなにおいが漂っているのを感じました。このあたりにはコーヒー豆自家焙煎店はないはずで、それはあらかじめ確認済みでした。

ただ不思議だったのは、そのにおいが通常自家焙煎店が販売しているアラビカ種ではなく、主にインスタントコーヒーや缶コーヒーなどに使われているカネフォラ種(ロブスタ)を焙煎したようなにおいだったことです。

ロブスタは低価格で「コーヒーらしい苦み」を作り出すには便利な豆ですが、単独で飲むには俗に「ロブ臭」と言われるほうじ茶や麦茶のような香味が強くて飲みやすいとは言えません。通常は自家焙煎店の店頭に並んでいるような豆ではありません。

そのにおいを感じた何度目かのある日、とうとうその発生源が分かりました。七瀬南部東交差点の北側すぐのところにある製粉店の横の扉が少し開いていたためのぞいてみたら、何かをレトロな機械でかき混ぜながら煎っていました。よく見るとどうやら麦茶のようでした。そのお店「清水製粉店」の方に聞いてみると、それは自家焙煎麦茶とのことでした。

▼お店のウインドーにも「自家焙煎 深煎麦茶 あります」の文字。

▼そのレトロな機械、つまり焙煎釜ですが、昭和8年から使っているそうです。


仕組みは、写真の上部に見える車輪のような物に左方向からのベルトが掛かっていてこれが動力を伝え、途中にギアをかませて車輪の下方向に伸びる軸が回転して釜の中にある麦をかき回しています。釜の下には鉄板が敷いてあり、その下で火をたいているそうです。

この写真を撮ったときは簡単にお話を聞いただけでしたが、その後その深煎自家焙煎麦茶を買いに行ってきました。

▼1袋で結構な量があります。やかんでつぶつぶの麦で麦茶を作ったのは、いつだったか記憶もないくらい久しぶりでした。


前々から、製粉店なのになぜ麦茶なのか不思議に思っていたのですが、聞いてみると、もともとは裾花川(七瀬南部から西に2キロほどのところを流れる川)のほとりで水車を使って米や麦を粉にしていたのが店の始まりだそうです。それで納得しましたが、確かに店内にはきなこ、大麦を粉にした物、米粉などが置いてありました。

▼麦茶のほかにも各種粉とそばなどを販売していました。私は大麦の粉を買ってきてヨーグルトに入れて食べています。


そしてお店は、昭和の昔に七瀬に電気がひかれるということで現在の地に移ってきたそうです。ただお店の方は、「こんな街中でいつまで店を続けられるかしら」と言っていました。

▼清水製粉店


私はたまたまその焙煎のにおいで気づき、そして気になってお店に行ってみましたが、そうでなければ単なる古くからの商店で、用事もなく通り過ぎるだけだったでしょう。

長野駅の東口方面(善光寺とは反対側)は1998年の長野オリンピックで開発された新しい地域と思っていたので、このような昔ながらの店がまだ残っていて、昭和の頃の長野の様子について話が聞けるとは思っていませんでした。お店の方からは短い時間でしたが長野市内移り変わり、食文化の変化に関しても興味深いお話を聞くことができ、ある意味貴重な語り部のような存在にも感じました。

| 街なかのあれこれ | 13:22 | comments(0) | - |









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